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5月18日(金)第8回アンサンブル・トリオ・コンサート

 

    お客様はやはり神様でした!

 

  各パート一人ずつの3人で歌うトリオ。今回私たちは、ア・カペラ曲の「世界のクリスマス・キャロル」に挑戦した。

 まず始めの第一部がこのア・カペラのステージ。自分の出している音は合っているか、3人の音程やリズムがずれていないかと聴き合いながら、何度も3人で練習してきたが、やはり本番はこれまで以上に上がってしまうだろうな、と覚悟して歌い出した。ところが、あれ?もしかして緊張していない…?いやいや、足は震えているし、声だって息が浅くフレーズの終わりは消えてしまう。でも、嫌な緊張ではない。どちらかといえば心地よい。ゲネプロの方が遥かに緊張して、もっとずっと歌いづらかった。この違いをもたらしているのは、そう、会場のお客様の暖かさなのだ。まだまだつたない演奏で、しかも緊張の極みにいる私たちを、笑顔と拍手で応援してくださるお客様の優しさに、私は助けていただいたのだ。

 ア・カペラを歌い終わって休憩に入ると、団員は倉庫で衣装替えになる。時間が短い上に、倉庫内は狭く、文字通りのぎゅうぎゅう詰め。季節外れの暑さも加わって、汗だくになりながらみんなで助け合ってワイワイと着替えるのも、なんだか楽しい。ア・カペラから解放された安心感が喜びを倍増させたのは間違いない。

 二部は星野富弘さんの詩にメロディをつけた合唱組曲「風に揺れる花」。こちらも曲によってダブルトリオやトリプルクァルテットと少人数で歌うものであったが、ありがたーいピアノ伴奏付きだし、3人でのア・カペラを歌い終わった私たちにはもはや怖いものはなかった。各自が伸び伸びと感情豊かに歌い、歌うことを楽しみ、お客様に少しは感動を届けることができたのでは、と願っている。

 このように私たちが安心して気持ちよく歌えたのも、聴きに来てくださったお客様と、何より裏で支えてくださったスタッフの方々のお力添えがあればこそ。本当にありがとうございました。 (Y・K)                                                                  

 



~トリオ・コンサートを終えて~


「世界のクリスマス・キャロル」が収められた楽譜

東京音楽書院 1989年 出版

 

アンサンブル・プラムベリー~トリオ・コンサート〜に行ってきました

 

 湘南に早くも夏の気配が淡く流れる5/18(金)茅ヶ崎で活動している三姉妹(長女:マミーコール《以下マミー》、次女:クール・コメール《以下コメール》、三女:アンサンブル・プラムベリー《以下プラム》)の三女に当たるプラムさんが主催する〜トリオ・コンサート〜に行ってきました。

 

 会場は茅ヶ崎市勤労市民会館で、6FA研修室に特設ステージを組み、マロ・コンソート(マロ先生の指導団体8団体とその指導者10数名で構成)はじめ、プラムさんの友好団体から招待された30数名を観客に迎え催されました。プラムさんは来年30周年を迎えますが、設立時はソプラノ・メゾ・アルトの3名1組でなければ入団できない決まりであったとかないとか。このコンサートは今回で8回目ということですが、原点であるトリオで演奏するユニークなものです。言うなればプラム(梅)ベリー(実)すなわち梅の実を一つもいで「触り」(S)「見て」(M)「味わう」(A)ものではないだろうかと勝手に思い込んでる私です。

 

 アンサンブルの核とも言える最小の集合体(トリオ)で演奏することは聴いている私からすれば逆の立場でなくて良かったなぁ~と思ってしまいます。そう思って聴いてるいるためか知らぬ間に緊張している自分がいました。トリオはクジ引きで否応なく組まれたメンバーであり好き嫌いは言っていられない状況にあり、ますます大変だろうと思うのであります。しかし、表面的には緊張感はあるものの危惧したようなものは微塵も感じられなかった。トリオ名、トリオを表現する漢字一字(例:はる風、快)などのネーミングからもそれに取組むひたむきな姿勢が見て取れました。来年のコンサートのプログラムからふたつのステージを聴くことができました。最初のステージはフルコーラスによる「世界のクリスマス・キャロル」(構成・編曲・訳詞:吉田孝古麿)でした。全8曲のうち前半4曲、後半4曲の中間部分にトリオの課題曲が2曲ありどちらか1曲をまたまたくじ引き方式で決めるという徹底ぶり(または、意地の悪さ!)8組のトリオの演奏はそれぞれの持ち味が出ており、よかったと感じました。何よりも成し遂げたことに「千金の価値あり」なのです。

 

 次のステージは星野富弘の詩画集から作曲された女声合唱組曲「風に揺れる花」でした。

 詩画集は星野氏が中学教師で器械体操(部活)の指導中の怪我で首から下の自由を失い、筆を口にくわえ花々の絵を描きそれに詩を添えたものであり、絵も文字も驚くほど美しく、過酷な状況から、こんなにも心に響く詩が生まれるものだろうか、いやそんな環境下だからこそ気が付くこと、見えることがあるのだと胸に迫るものと目頭に熱さを感じつつ聴き入ってしまいました。

 

 全7曲のはじめと終わりはフルコーラスで歌い、中間の4曲をWトリオ、1曲をトリプルクアルテットで演奏しました。単独トリオ演奏からの解放はこんなにも表情を変えるものかと思いながら観ていました。やはり、マロ先生が常々口にしている「演奏者」は「演技者」でなくてはならぬ ——その通〜り——(実感)プラムさんはポップス専門店であり、顔の表情や動きには定評があるが、流石の言葉を贈りたい。

 

 トリオ・コンサートのプロデュースは宮先生が担ったそうで、トリオだけに「三位一体」に拘り①SMAのトリオスタイル ②指揮者・ピアニスト・歌い手のアンサンブル③演奏者・観客・スタッフでいいコンサートを創ろう・・・とのミッションは大成功でしたね。

 

ステージの下手、上手からの出入りはスムーズでよかった。開演・終演のチャイム係は今年入団の新人さんで顔見世にはうってつけでした。高根さんから引き継いだ新代表の久米田さんの司会も堂々としていました。

 

 また、「風に揺れる花」で朗読と指揮をこなしたマロ先生!めったに見られない貴重な場面に立ち会えたこともよかった。受付はコメールさん・ステージ周りはマミーさんが受け持っておりうまく流れていました。

 

 ヨココン関係の来場者、須江先生・岩谷先生・T齋藤・A芳川(ヴァンヴェール)B鈴木・沖浦(研修団員)当日舞台監督をしていました 団友会事務局金野(恵)・わたし。

 

終演後はおみやげ(手作りクッキー?)まで用意されており気遣い溢れるひと時を過ごすことができました。

 

来年の30周年記念コンサートは30年目の浮気と称し、クラシックへの2度目の挑戦となります。トリオ演奏とクラシックへの挑戦でさらにステップアップするであろうプラムに当分目を離すことができません。

 

2018年5月20日 

 

横浜混声合唱団

B 金野健一郎